NHKの朝ドラ『カムカムエブリバディ』が、もうすぐ終わる。親子3代にわたる100年のファミリーストーリー。
独身の頃は朝ドラなんて観たこともなかったし、興味もなかったのだけど。
というか、関西に住むサラリーマン、朝8時なんてたいてい家にはいない。
1時間かけて出勤なんてザラの世界、朝ドラが始まる時間には家にはいないのだから。
わたしの朝ドラ生活は結婚してから始まった。
カムカムエブリバディが教えてくれること
昨日の15分。ひなた~!そうか~!残念だけど~!と肩を落としたわたしに響いた、ひなたのひとり言。
(ひなたは川栄李奈さんの役。今週は元恋人と再会した揺れ動きが描かれています)
「That’s life…」
「これが人生…」
あぁ…。沁みる…。
10年近くの月日が経ってから思いがけず現れた過去。
これは運命か?と浸りかけた自分に決着をつけ、前に進もうというまなざしに見えた。
人生は、主観で進んでいく
当たり前だけど、自分という人生は自分が歩んでいく。
自分が見たもの、聞いたこと、触ったもの、五感から得られる情報をもとに何かを感じ、感じた思いが意識となり、結果、自分の選んだ道を歩いていく。
他人から聞く噂や世間のニュースよりも、自分の半径内で起こる出来事が大事だ。
けれどわたしたちは、
たとえ目にしたことがほんの一瞬の出来事だったとしても、それが全部だと怒りを覚え、たとえ耳にしたことが全体像のほんのかけらだったとしても、それがすべてだと悲しさに満ちる。
自分が目にし、耳にすることは、ただの一部でしかないのに。
それが真実かどうかだなんて、わからないのに。
自分の五感がキャッチしたあれやこれが意識の中枢を築き上げ、人生をかたちづくっているのだとしたら、なんて滑稽な光景だろう。
でも、人は皆、そうやって人生を歩いていく。
言い換えれば、そうやってでしか、歩いていけない。
右に曲がったり左に折れたり、ちょっと行っては引き返したり、周りで起こっている出来事や、自分が彷徨っている物事に揺れ動きながらも、自分の主観でしか進めないのだ。
他人と話すことで世界が広がったり、他人の助言で自分を取り巻く環境を冷静に見れたとしても、それもまた「自分が聞き、自分が感じたこと」でしかない。
わたしたちは未来永劫、『自分』という枠を取り除くことはできない。
自分を客観的に見る
主観で進む人生だからこそ、自分を客観的に見ることは、自分を助けるし、自分を救う。
過去のつらい出来事から目を背け、母親を憎み、考えまいと大人になった、るい。
(あ、急にカムカムエブリバディの話です。深津絵里さんの役)
本心では母を覚えているし、母に会いたいはずなのに。
胸の奥底の思い出したくもない感情でも、下手に隠さず、むやみに煽らず、自分を客観的に見ることができれば、別の側面に気づくことがある。
でも、わたしを含む多くの人は、そう上手にフラットにはなれない。
時が経つということ
それでも言えるのは、時が経ち、家族や仕事に向き合いながらひたすらに毎日を生きていくことで、心の覆いは少しずつ外れていく。いつしかフラットになっていく。
気持ちが平らになることで、本当の感情に気づいたり、自分や相手を許せる気持ちになるのだから、時間というのは不思議な魔法だ。
誰にとっても、時間は必要であり、宝。
「Time is money」「Time will tell」ともいう。
もちろん、自分を客観視できたからといって、万事がうまくいくというわけではない。
ただ、「感情」や「判断」は横に置いて、起きたことを「事実」として受け入れることができれば、気持ちを平らに保ちやすくなる。
ひなたの前に再び文四郎が現れたことも、錠一郎がピアニストの道に進めたことも、るいが回転焼き屋を選んだことも、初めましての老婦人が実は自分の祖母(今はまだかもしれない展開だが)であることも、時が流れているからこそ。どれも「これが人生」。
時間は誰にもやさしく、平等だと改めて感じる。
わたしの人生、いま何章目?
そしてわたしの人生はというと。着実に折り返し地点を通過している。
家族と暮らした幼少・学生時代を1章目とすると、社会人になって2章目、キャリアと年齢の狭間で揺れ動いた30代は3章目。
十何年もいた会社を辞め結婚し始まった松山での暮らしは4章目。いろんな働き方を模索し、こどもを通して、自分を通して、かけがえのない出会いがたくさんあった。
そして京都という場所ではあるが関西という地元に戻ってきた今、わたしの人生は5章目。
過去につながっていた人々との再会、そしてそこから広がる新しい関係性。
もう48歳だけれど、まだ48歳。
わたしの人生、何章まで続くだろう?
これから、どんな出会いがあるだろう?
5年先10年先、何を感じて、誰と何をしているだろう?
自分という枠からは脱することはできないけれど、気持ちを平らに、心もからだもしなやかに、わたしという人生を最大限に楽しみたい。
だって、これが人生。
this is the life,isn’t it?
じっくり挫けずに。
ゆったり怯まずに。
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